坐骨神経痛でお困りの方へ
投稿日:2018/09/07
坐骨神経痛とは
坐骨神経とは、骨盤の後側からでてお尻の付け根、太ももの裏、膝の裏を通り、すねとふくらはぎの両方に別れ、足の甲と足裏にまで伸びている末梢神経のことで、人体でもっとも太くて長い神経です。
この長い神経の通り道のどこかで何らかの原因で神経の圧迫が起きると「坐骨神経痛」になります。
「坐骨神経痛」の特徴は、腰部から臀部(お尻)にかけての痛みや痺れ・太ももの裏側の痛みや痺れ・膝裏の痛みや痺れなど、坐骨神経の走行に沿って腰から下の下肢に現れます。
また、臀部にコリが生じます。
そのコリの部分がつっぱったりしびれたりするのも坐骨神経痛特有です。
・とにかくお尻から足にかけてが痛い
・太もも、ふくらはぎが痺れる、違和感がある
・歩けなくなった
・足に力が入らない
・背中、腰あたりが痛い
・お尻を揉むと気持ちいいけど硬いのが分かる
そんな症状はありませんか?
少し怖い話ですが、これが進行し神経の圧迫が強くなってくると運動神経を圧迫し、症状がひどい場合には歩けなくなる場合などもあります。
そして、坐骨神経の支配している筋肉に萎縮が起こり、重度の場合は排尿障害などが起きる可能性があります。
進行性の疾患なのでほっておかずに早めの対処が必要です。
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛は症状の名前であって、病名ではありません。
原因となる病気では、
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症 が代表的です。
その他
・ギックリ腰(急性腰痛)
・梨状筋症候群
・脊柱管狭窄症
・脊椎分離症
・脊椎すべり症
・脊椎腫瘍 などもあります。
このような病気が原因となるもの以外にも、同じ姿勢が長時間続くことや、繰り返される動作は腰や臀部の筋肉に大きな負担になります。
坐骨神経痛が起こる背景には、柔軟性不足やある一部の筋肉のみを過度に使っている、きちんとしたケアを怠ったなどの原因が考えられます。
腰や臀部の筋肉に負担がかかり続けることで、筋肉の緊張は強くなり、神経が障害されやすくなってしまう要因になります。
良かれと思ってしていた運動も、過度にやり過ぎてしまうのも良くはないということです。
原因は神経の圧迫ですが、腰~お尻~太もものどこかで神経が圧迫され坐骨神経に沿って痛み、シビレが生じます。
そのため、一言で坐骨神経痛といっても原因は一つでなく、複合的になっている場合が多く、患者様1人1人によって症状も原因も異なりますので、症状を見極めて、適切な原因解明が完治への近道となり、痛みの原因にしっかりとアプローチすることが大切です。
当院での坐骨神経痛の治療法
坐骨神経痛の場合、原因となっている疾患によって治療法は変わりますが、坐骨神経痛のほとんどが、腰部から臀部(お尻)にかけての筋肉の緊張や、坐骨神経の走行に沿っての筋肉の緊張があります。
そしてそこを使わないように庇って生活するがために、首や背中の筋肉も緊張していきます。
鍼灸治療によりそれらの筋緊張を緩め、特に患部周りの血行を促進し、坐骨神経痛の痺れや痛み不快感を解消します。
坐骨神経は「 人体最大の神経 」なので、傷ついたりしにくいように筋肉に覆われていて、かなり奥の方にあります。
その為、指や肘で刺激を入れようと思っても、思うようにアプローチ出来ませんが、鍼はそこにピンポイントで到達出来ます。
自覚的な痛みのある部分とは別に、大元となっている患部がどこなのか、を見極めるのが坐骨神経痛の症状をとるポイントになるので、確実な効果を出す為に、腰や足の可動域や痛みの出る姿勢、時期、痛みの軽減する時期などを確認するとともに、1番の原因をしっかりと探ります。
痛みの感受性は様々なので、坐骨神経痛に限らずですが、その患部への治療は、患者さんの感覚を確認にしながら、その方それぞれに適切な手技を行います。
この手技や強弱の使い分けが、当院ならでは、好評をいただいてる1つです!
さらに、部分的ではなく、全身治療なので、自律神経やホルモン分泌の調節により、内臓の調子も整えて、全身のバランスを整えます。
治癒力をつけ、症状が回復しやすく、再発を防ぐ体内環境を作っていきます。
坐骨神経痛の治療例・患者さんの声
①30代 女性 介護職
既往歴: 特になし
【来院されるまでの症状】
1週間前に右大腿外側の痛み、違和感があり、段々と右臀部、腰全体の痛みに広がり、じっとしていても痛みがあるようになったで来院されました。
痛む場所は、腰から臀部、足の外側から足首にかけて。
痺れというより違和感あり。
確認させていただくと、腰や足を庇って生活されていた為、首肩から背中にかけても筋肉の緊張がありました。
仕事柄、中腰になったり腰に負担のかかる姿勢が多い。
デスクワークもある。
元々腰が痛くなりやすかったが、ヘルニアなど既往歴は特になし。
人員不足で多忙だったことが負担になったのではとのことでした。
首や背中の筋緊張を取るとともに、痛みのある患部の原因を探り、主に骨盤周りから仙腸関節、腰椎のキワの緊張をほぐしました。
ふくらはぎは硬くむくみと冷えもあったので、患部もそこに対応するツボを使い対処。
また、腰周りの緊張を取ることにより下肢の血流も改善し、治療の終わる頃にはむくみが消え、温かみのある柔らかいふくらはぎに戻りました。
施術後、自宅でのストレッチとセルフケアをお伝えし、その後1週間後と2週間後の治療計3回で初診時の痛みと痺れや違和感は治まりました。
現在も疲れすぎないお身体づくりの為、メンテナンスで3週間に1回のペースで通院されています。
「今まで自分のケアをしてこなかったから、年齢とともに回復力も弱まるし、自分のメンテナンスの必要性を感じた。これからもよろしくお願い致します」とのお声をいただきました。
女性は特に、ホルモンバランスの乱れなどの影響を身体に受けやすいです。
ご自分では気づかない疲れや歪み、癖などが、痛みや痺れにならないうちにケア出来ることをオススメします。
②50代 男性 営業職
既往歴:腰椎椎間板ヘルニア、ぎっくり腰、膝関節捻挫など
【来院されるまでの症状】
仰向けで左足を外側に傾けると坐骨、臀部が痛む、足をつくとふくらはぎが痛む、一昨日歩けなくなった時間帯があった、などの症状が出ている為来院されました。
今はふくらはぎの痛みはないが腰から臀部にかけてが痛く、仰向けや前かがみが出来ない。
特に右側の背中から腰にかけての筋肉の緊張があり、臀部の圧痛も数か所見られました。
出張も多くエアコンの効いた車内で長時間座っての移動、また睡眠不足でのゴルフやジョギングなどの過度な運動も原因の引き金となっているようでした。
大腿外側や股関節周りの筋緊張を取ることで、臀部や仙腸関節、腰の患部の痛みや可動域が変わります。
十分に確認をしながら、丁寧に確実に患部に施術を行い、動きの検査を交えながら痛みを取りつつ可動域を広げていきます。
施術後には、仰向けや寝返りがスッと出来るようになり、前かがみも可動域が広がりました。
自宅でのセルフケアとストレッチとともに、患部から下半身を冷やさないようにお伝えしました。
出張を挟んだので2回目は2週間後になりましたが、腰の張り感が出てきたのみで、痛みや歩けないなどは無かったとのことでした。
その後2週間おきに計4回の施術で、初回のお悩みは解消されました。
お忙しい方ですが、お仕事もスポーツをされることや楽しんでいられるので、「また走れる!」「もっと早くに自分の身体をケアすれば良かった!」と喜んでいただきました。
楽しく、健康でいられる為に、3週間〜4週間に1度のメンテナンスで、現在再発はされていません。
治療回数の目安
坐骨神経痛の方も症状や年齢、既往歴やなど人それぞれなので、どれくらいで必ず治りますとはお伝え出来ませんが、当院の臨床の記録からするとぼぼ2〜5回ほどの治療で症状が治まっています。
ただこれはあくまで目安で、同じ回数だとしても、週に1度治療に来られる方と、2週間空いてしまう方ともまた経過は違いますし、その間の仕事の状況やセルフケアの仕方などでも変わります。
まずは1回治療して、お身体の反応がどのように出るかを診させていただき、週に1度程度の治療が丁度良く経過も早いです。
初回緩められた筋肉が元に戻ってしまう前にまた治療することにより、悪化も防げますし、【お身体が変わるんだ】ということを経験していただくことにより、希望に繋がります。
もう治らないかもしれない、という気持ちも、その希望から経過も変わっていくのです。
身体が少しでも前と同じように動くことは、気持ちも大きく前向きにします。
どうぞお手伝いさせてください!
基本的には、初期で軽度の坐骨神経痛はきちんと患部を温めて血行を良くし、硬くなっている筋肉を柔らかくすることが出来れば早めに楽になります。
坐骨神経痛のような症状が出だしているという方は、お風呂にゆっくりと浸かり、出来る範囲のストレッチをまずは行いましょう!